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そのアイデアは有史以前にまで遡ります。
ネアンデルタール人は偶然にも、何世紀にも渡る雨に
よって
侵食され、窪みができた大きな岩を洗面ボウル
として利用していました。 |
手洗い鉢のよう石 |
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また、古代ギリシア時代には人工的な洗面器も
作られました。
さらに、ヤギの脂肪と灰から製造された石鹸も
作られ使用されていたようです。 |
洗面器で手を洗う女性(古代ギリシア時代)
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19世紀の半ば、木製キャビネットに置かれたシンクに
タンクやバケツ
から水を汲み上げて使用され始めました。
そのほとんどがスチール製でしたが、銅や
ニッケルシルバーという高価なものが裕福な家庭にだけ
使用されていました。 |
キャビネット付き洗面化粧台 |
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配管を利用する現在のようなものは、ずっと後に
なってからです。
1829年、ボストンのトレモントホテルは、屋内配管を
持っている
最初のホテルとなりました。
1840年まで屋内配管は、大変高価だったため、
裕福な家庭と特定のホテルだけに使われていました。
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ボストン・トレモントホテル |
洗面ボウルは、これまで様々な材質で作られ、何が最適なのか工夫・模索されてきました。
例えば、1920年以前、重たい石やステンレスはとても高価だったので、洗面ボウルの素材としては使用されていませんでした。
この時代はステアタイト(ソープストーン)やスレート(粘板岩)が使用されていました。 |
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ステアタイト(ソープストーン) |
ステアタイトを使った洗面器 |
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スレート(粘板岩) |
スレートを使った洗面器 |
19世紀後半から20世紀初期まで、洗面・流しに大きな発展はありませんでした。
しかし、1920年代にモーネル社が市場に参入し変わっていきます。
彼らは軽量で腐食に強い、銅、ニッケル、マンガン、シリコン、炭素、鉄でできた洗面・流しを製作しました。
20年後、銅と鉄の需要は戦争のために高まり、ステンレス製流しが加わり、洗面・流しだけでなく調理台と
しても広く知られるようになりました。 |
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陶器の洗面ボウルは最初1920年代に導入され
その硬いセラミック製(鉄の鋳造の代わりに)、白い内部
そして光沢のある外部によって人気となりました。 |
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石、鉄、ステンレス、ホーロー、陶器、ガラス。
今日、洗面ボウルは様々な形状、様々な大きさ、そして様々な材質の物があります。 |